赤い月 肆


大型ショッピングモール内のフードコート。

テーブルに頬杖をついて、満面の笑みで身を乗り出す景時を見て、うさぎは呆れたように口を噤んだ。


「傘、イヤ?
うさ耳がついたポンチョ型のレインコートなんかもあるみたいだケド、子供用カナぁ。
うさちゃんならちっちゃいから、着れるカナ?」


「‥‥‥傘で良い。
‥‥‥‥‥フっ」


うさぎが俯いて吹き出す。


「そなたの顔…
欲しかった玩具を手に入れた、童のようじゃ。」


「失礼な。
俺が欲しいのは、うさちゃんだから。
うさちゃんは、オモチャじゃねーから。」


景時は憤然としながら、アイスコーヒーを飲み干した。

そして、まだ肩を揺らすうさぎの顎に指をかけ、そっと持ち上げる。


「笑った顔、伏せちゃヤダ。
ちゃんと見せて?」


「‥‥‥フフっ
そなたは、少し顔を伏せるが良い。
まるで砂糖菓子じゃ。」


いーやーデースー。

うさぎが見れなくなンじゃん。
砂糖菓子上等じゃん。

どれだけ甘くしても足りない。

うさぎが隣にいるから。
うさぎが笑ってくれるから。