どれだけ時間がたったのか。 私達は無言のまま雪が舞う夜の公園のベンチに座っていた。 「雪、積もらねえかな。」 不意に声が降ってきた。 初めてこいつのまともに喋った声を聞いた気がした。 「俺、雪って好き。」 ベンチにだらしなく腰掛け、降ってくる雪を見つめている。 かすかな風に明るい茶髪が揺れる。 不確にも綺麗だと思ってしまった。