「てか、何買うんだよ」
「うーん……決めかねてるんだよね」
俺がいるとも知らず、二人はどんどん話を続けていく。
どうやら、どこかに買い物に行くらしい。
「色紙は?ちゃんと回ってんの?」
「うん。
高三は全員回って、今は高二にいってるはずだよ」
色紙?
高三は全員回ったって……俺回ってきてねぇんだけど。
てか、何の色紙だよ。
盗み聞きするつもりはなかったけど、何の話か気になってこの場から動けない。
「あとはプレゼントなんだけど……」
「……アイツの好きそうなものか」
「うーん……何が好きなんだろう……蓮ちゃん」
……え、俺?
まさか俺の名前が出てくるとは思わなくて焦る。
……え……今までのって俺の話だったの?
色紙とかプレゼントとかって……え?
誕生日?
でも、俺の誕生日なんかまだまだ………。
いや……来週の火曜だ。
じゃあ、コイツら……俺のために……?
「意外と分かんないもんなんだな、相手の好みって」
「高一の時からずっと一緒にいるんだけどねー……」
うーん、と唸る岬の声が聞こえかと思えば、突然「あ!」と大きな声を出した。
「どうした?」
「そういえばさ、中学の頃もこんなことあったよね!」
「中学の頃?」

