「ああ、やっぱそうだ!
去年、試合に出てたよな。
覚えてるよ」
振り返った俺の顔を見て嬉しそうにそう言うソイツ。
「……中山?」
そうだ、中山だ。
東第一のキャプテンで大和と岬の元同級生……。
「何でこんなところに……」
「何でって、ちょうど帰り道だから。
うわ、でもビックリしたな。
まさか青桜の副将と会うなんて」
去年までは大和と仲違いしていて感じが悪かったけど、こうして普通に話すと良い奴だ。
岬が言ってた気がする。
アキ君はすっごくいい人なんだよ!って。
「えっと、確か……鈴山、だっけ」
「何で俺の名前……」
「大和がよく話してたから」
大和が……。
……アイツ、変な話はしてないよな?
今度、さりげなく聞いておこう。
それにしても……
……あの中山と俺が話してるなんて何か変な感じだ。
「そういえば最近、アイツらに会ってないな。
二人とも元気?」
「え?あぁ……元気すぎて困るというか、何というか……」
「ん?」

