「……はぁ」
その日の帰り道、俺はため息をつきながら一人歩いていた。
……結局、今日一日ずっとアイツらはケンカしたままだった。
仲直りするどころか、悪化する一方で。
部活どころじゃなくて、後輩たちもみんな戸惑っていた。
まったく……。
仲良すぎてその辺でイチャつかれるのも困るけど……
それよりもこうしてケンカされるのが一番困るな……。
どうにかして二人を仲直りさせる方法がないか……。
歩きながら必死に頭を回転させる。
……ダメだ。
思いつかない。
そもそもアイツらがあんな本気でケンカしているのを初めて見た。
俺だってアイツらと二年ちょっとしか一緒にいないし……こういう時の対処法なんて知らない。
どうしたもんか……。
……俺が再び頭を悩ませた、その時だった。
「あれ……青桜の副将?」
突然そんな声が聞こえ、俺が振り返ると……そこには驚くべき人物が立っていた。

