「そうだ、栞奈!!
今日は何の日でしょーか!!」
「今日!?
今日は……えっと……日曜日?」
「……そうだね、日曜日だね」
「杉崎先輩……?」
「ははっ……うん、いいんだよ……。
……栞奈、またね」
……俺は栞奈に背を向けてトボトボと歩き出した。
「杉崎先輩!!」
すると、栞奈が大声で俺を呼んだ。
振り返ると、栞奈は心配そうな目で俺を見ていた。
「あのっ……先輩はどんな料理が好きですか?」
「料理?
んー……グラタンかなー……!!」
「グラタンですね、分かりました!」
「栞奈……?」
栞奈はにっこりと優しく微笑んだ。
「……栞奈は……何か知ってるの?」
「……言えません」
「……そっか」
「……でも!!
……先輩はいつものハイテンションでいてください。
あたし達……先輩が笑顔ではしゃいでるのが好きですから」
……栞奈はそう言ったけど、今の俺はいつもみたいにはしゃげるような気持ちじゃなかった。
何でだろう……こんなこと今までになかったのに。
……俺は静かに栞奈から離れていった。

