そんなイツの小さなハプニングの後、聞き覚えのある音楽と共に教会の扉が開く。
純白のウェディングドレスに身を包んだ松山と、少し寂しそうな顔を浮かべる松山のお父さん。
イツがあんなにガチガチに緊張していたのに、松山はリラックスした様子でバージンロードをお父さんと一緒に歩いてきた。
やっぱ、旦那がアレだと嫁がしっかりすんのかな……。
ウェディングドレスを着た松山は、今まで見てきたどの姿よりも輝いて見えた。
確かに、篠山の言ってた通り綺麗だな。
ゆっくり歩いていき……イツの前で止まると、お父さんの腕から松山が離れて松山はイツと腕を組む。
そして……またゆっくりと神父の前まで歩いていく。
……よかった。
今度はコケなかった……。
俺と陽斗はどっちかっていうと、そっちの方が心配だった。
アイツ……どこにいても何かやらかしそうだからな。
式が無事に終わってくれることを願っていた。

