式が始まり、俺達は教会のイスに座る。

俺と陽斗は新郎側、伊沢と篠山は新婦側の席に座った。


「何か、俺が緊張してきた……」

「何で陽斗が緊張する必要があるんだよ」

「だって、あのイツだよ?
何かやらかすんじゃないかって……」


………何か、俺も心配になってきたじゃねぇか。


でも、あのイツでもさすがにこの晴れの舞台で何かをやらかすことは……


……ないと信じたい。



教会の扉が開き、先にイツが入場してくる。


白いタキシードに身を包み、ガッチガチに緊張している顔でゆっくりと歩いてくる。


……が。


……なぜか知らないが、何もないところでコケかけるイツ。


教会の中に小さな笑い声が起き、イツも恥ずかしそうに笑いながら足を進めていく。



「……アイツ、やりやがった」


俺は小さくため息をつく。


「でも……まぁ、一人の時でよかったよ」


陽斗が苦笑いしながらそう言った。