「あ、来た来た!
二人とも戻ってくるの遅かったね」


控え室からみんなのところに戻ると、すでに伊沢と篠山がいた。


「お前ら、松山のとこにいたんじゃねぇの?」

「うん。
そうなんだけどね、早くイッ君に香織の花嫁姿を見せてあげたいなって思って」

「ビックリするぐらい綺麗だったわよ。
アンタ達、惚れるんじゃないわよ」


篠山に釘を刺される俺達。

俺はともかく、陽斗は絶対にないって。


俺は横目で伊沢と話す陽斗を見る。


「ハル君、披露宴のスピーチ大丈夫なの?」

「結構ヤバい……。
俺、絶対こういうの向いてないって」

「大丈夫。
式が終わってからだから、まだ時間はあるよ。
リラックスしよう、リラックス」


陽斗は伊沢と再会してから、やっぱり何かが変わった気がする。

高校時代の笑顔を取り戻したっていうのかな……。

とにかく、変わった。

良い方向に。