青空バスケ―番外編―


「昨日、俺の家に忘れてったらしくてさ。
気づいたのは今朝だったんだけど」


……そうだよな。

そのケータイ、どこからどうみても女子のっぽいもんな。


「あ、そうだ。
メアド教えてよ」

「え?」

「お前もバスケ部に入んだろ?
なら、いいじゃん」


いや、いいじゃんって……何が?


戸惑う俺をよそに高瀬は早速ケータイを取り出して準備をしていた。


「どうした?」


……仕方ない。

俺は心の中でため息をつきながらケータイを制服のポケットから出した。


「鈴山……蓮、と。
登録完了」


……こうして俺は昨日名前しか聞いてない奴と連絡先を交換した。


「あ、そうそう。
今日の昼休み、昼飯持って学食に集合な」

「は?」

「いいから。
じゃ、そういうことで」

「あ、おい!」


俺の話も聞かずに奴は片手をヒラヒラ振って歩いて行ってしまった。