「あの人達……?」

「先輩達。
すっげぇいい人達なんだよ!
部長の高瀬先輩はいつも俺の相手してくれるし!
副部長の鈴山先輩はたまに怖い時もあるけど、俺達後輩のことちゃんと見てくれてるし!
それに……」

「それに?」

「マネージャーの岬先輩!
優しくて可愛くて、それでいて癒されるんだ!」

「……ふぅん」

「……栗山?」


なぜか栗山は面白くなさそうな顔をして頬杖をついていた。


「どうした?」

「……アンタ、そのマネージャーの先輩のこと好きなの?」

「え?あ、うん。
好きだけど」

「っ………!」

「だって、あんな姉ちゃん欲しいじゃん。
ウチの姉ちゃんと取り替えてほしいぐらい!」

「お……お姉ちゃん?
あ……そう。
……ホッ」


うん……?

栗山の様子が少し変だ。

でも、きっと深く突っ込んで聞くと怒られそうだからやめとく。


「ってか、何でそんなこと聞くの?」

「え……?
……そ、それは……べ、別に何だっていいでしょ!」


栗山は顔を真っ赤にしながら俺から顔をそらした。


うーん……やっぱり今日の栗山はどこか変だ。

具体的には言えないけど、何かが変だ。