と、いうことで。
栗山がなぜか俺の補習プリントを手伝ってくれることに。
目の前で栗山が問題を解いてるんだけど……
「は……速い……」
なんて速さだ……。
俺の倍以上だぞ……。
こ、これなら……すぐに終わるかもしれない!!
と、目を輝かせて栗山の方をじっと見ていると、栗山がプリントから顔を上げて怪訝そうな顔で俺を見た。
「……何?」
「いや、速いなと思って」
「そりゃ、アンタよりはね」
「なぬっ……!」
ちょいちょいチクッとする言葉を言ってくるヤツだ……。
でも、手伝ってもらってるもんだから文句は言えない。
むしろ感謝しなくちゃいけない。
「ていうか、このレベルでこんなに手間取ってるとか……アンタ、ちゃんと授業聞いてるの?」
「聞いてる!」
「………………」
「……ウソです、ゴメンナサイ」
はぁー……と栗山は小さくため息をついた。

