「……それに、栞奈は一人にしらら危なっかしいからな」
「……え?」
「だから俺がちゃんと見てやらないと。
すぐ迷子になるし、泣くし、甘えん坊だし……」
「い、今はそんなに酷くないもん……」
「どうだか」
意地悪に笑う大和にあたしはちょっと言い返してみる。
「あたしより大和の方が手がかかるよ」
「どこが」
「今日だってさっきまで怒ってたし」
「なっ……それは……」
「……何で怒ってたの?」
あたしがそう聞くと、大和はフイッとあたしから顔をそらした。
少しだけ見えた耳は赤く染まっていた。
「大和?」
「……お前が悪いんだからな」
「あたし?」
「そうだよ。
……お前が……俺には何にも渡して来ないクセに、先輩達には渡してたから……何かムカついたっつーか……」
「え……」
あたしは大和の赤く染まった耳を見たまま固まった。
「それって……」
「あー、もう!何も言うな!」
ヤキモチだったり……するのかな。

