その様子が彼はこういう〝場〟に慣れているのだと、
気付かされる。
前に、
紘夜も言っていた。
〝こんな時のために、知り合いの医者がいる〟
でも、
こんな、
こんなこと…
「肩は、弾がかすった状態。擦過射創か。首は…切傷。浅くてよかった。まずは傷口を洗おう。生理食塩水があるからそれで…」
「いや…」
「え?」
「教えてっ、夕綺さんは!?夕綺さんは大丈夫なんですか!?」
涙と血で、
ぼろぼろの顔を吉水さんに向けると、
吉水さんは変わらない様子のまま、
持っていた白い布で
私の顔を拭いてくれた。
優しく、
丁寧に。
前に、
そうしてくれたように…
気付かされる。
前に、
紘夜も言っていた。
〝こんな時のために、知り合いの医者がいる〟
でも、
こんな、
こんなこと…
「肩は、弾がかすった状態。擦過射創か。首は…切傷。浅くてよかった。まずは傷口を洗おう。生理食塩水があるからそれで…」
「いや…」
「え?」
「教えてっ、夕綺さんは!?夕綺さんは大丈夫なんですか!?」
涙と血で、
ぼろぼろの顔を吉水さんに向けると、
吉水さんは変わらない様子のまま、
持っていた白い布で
私の顔を拭いてくれた。
優しく、
丁寧に。
前に、
そうしてくれたように…



