優しく触れられた両手の力を緩めると、
途端に
紅い両手が、震えた。
前にも、
こんなことがあった。
震える紅い掌を
握りしめたことがーー。
「…あ……あぁ…」
紅く震える両手を目の前で眺め、
情けない声が零れる。
知らずに、
私は夕綺さんの傷口を強く押して、止血していた。
ううん、
きっと、違う。
きっと、
怖くて
怖くて
どうしたらいいのかわからなくて
どうしようもなくて
ただ、
しがみついていただけ。
途端に
紅い両手が、震えた。
前にも、
こんなことがあった。
震える紅い掌を
握りしめたことがーー。
「…あ……あぁ…」
紅く震える両手を目の前で眺め、
情けない声が零れる。
知らずに、
私は夕綺さんの傷口を強く押して、止血していた。
ううん、
きっと、違う。
きっと、
怖くて
怖くて
どうしたらいいのかわからなくて
どうしようもなくて
ただ、
しがみついていただけ。



