「み、実織、様?」

驚いた。
その姿にーー


綺麗に着飾った桜色のドレスは、
所々裂けた様にほつれ、
色は紅く……

いえ、違う。

黒に近い程の紅に染まっていた。




何より、
その厳しい表情に、

驚いた。




今まで見た事もない、
実織様の表情。



冷たい、張りつめた氷の様な


その眼は、


一点だけをとらえていた。