冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】

「実織ちゃん!?」
「実織!」


制する二人の声に首を振った。



イヤ
イヤだ。


行かないで。

行かないで、紘夜ーー



「これは、真影の家に届けないといけない。
わかるね?二人の家の人達に訃報を伝えなければいけない」


訃、報……

夕綺さんの事を、
あの〝兄〟と呼ばれていた人に?



「ーーじゃあ……私が、行く」
「駄目だ!」

ジャケットを握りしめ、
私がそう言うと、

間髪いれずにジュン兄が止めた。


「お前はもう関わるな!もう……
もう、帰ろう。オレと一緒に」


悲痛なほどの叫びと、
震えるジュン兄の言葉が、

私の心を揺さぶる。



でも、


「行かせて。お願い、ジュン兄」