冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】



「……実織ちゃん、」


静かな声が、

滲む世界のどこかで聴こえる。


ぼんやりと、

どこか、遠くでーー




「車に戻って。そのジャケットは、オレがあとで真影の家に届けるよ。
この、牡丹の花とともに……」


牡、丹…?



「真影夕綺の遺した、牡丹の花とともに」



ーーえ?





「真影夕綺は、亡くなった」