冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】


ジュン兄の鼓動が、
聴こえる。


懐かしい、
懐かしいぬくもりに、必死にしがみついた。





落ち着け、

落ち着け、

何度も何度も、
呪文のように繰り返し、自分に言い聞かせる。




すぅー、っと
呼吸が落ち着き、

鼓動が、
いつもと同じ音を取り戻す。



私は、
ひとつ、静かに深呼吸をして、
閉じていた瞼を開いた。