冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】


「緋、刃…さん?」


震える声とともに、
また前へと歩き出す。


「緋刃、さん?」


呼んでも、


何度呼んでも、
答えはない。



「緋刃さん!」


何度も、
何度も命の危険にさらされて、

紘夜にも酷い事ばかりして、


怖い思いも
嫌な思いも

たくさんさせられたけど、

それでも、


「緋刃さん!」

答えのない、
倒れたその人を


放ってはおけなかった。