「――ッ!」
少し車が走った所で、
吉水さんが息を飲む気配がした。
「どうしたんですか?」
倒した後部座席に夕綺さんと並んで横になっていた私は、
その変化に少し体を起こした。
「……いや、……なんでもない」
車を止める事なく、
答える吉水さん。
「どうした?実織」
助手席のジュン兄は気付かなかったようで、
私の声で吉水さんと私を交互に見た。
「吉水さん、どうしたんですか?
なにか、あったんですか?」
私は運転席の後ろに体を動かし、
吉水さんに問いかけた。
「なんでもないよ」
「でも、」
でも、
でも、なんか…
気になって、
思わず後ろを振り返った。



