冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】


「さて、急ぐよ。
彼女をすぐにウチに連れて行って処置しないとマズいからね」

そう言って、
吉水さんは夕綺さんを抱えて歩き出した。


「すぐ近くに車を停めてある。キミ達もおいで」

促され、私がフラリと立ち上がると、
ジュン兄が私を抱きあげた。


「えっ、え!?だ、大丈夫、私は大丈夫だよ、ジュン兄…」

「いーから、黙ってろ。俺が見てらんない。そんな傷だらけになって、」


ムスッと怒ってるような口調のジュン兄。



「ごめんなさい…」

「ったく、お前は無茶ばかりして」


溜め息とともに、聞こえたジュン兄の声。


口調は変わらないけど、
なんとなく

優しさを感じた。




〝しょうがないヤツだな、実織は〟


そう言われている気がした。