「さて、急ぐよ。
彼女をすぐにウチに連れて行って処置しないとマズいからね」
そう言って、
吉水さんは夕綺さんを抱えて歩き出した。
「すぐ近くに車を停めてある。キミ達もおいで」
促され、私がフラリと立ち上がると、
ジュン兄が私を抱きあげた。
「えっ、え!?だ、大丈夫、私は大丈夫だよ、ジュン兄…」
「いーから、黙ってろ。俺が見てらんない。そんな傷だらけになって、」
ムスッと怒ってるような口調のジュン兄。
「ごめんなさい…」
「ったく、お前は無茶ばかりして」
溜め息とともに、聞こえたジュン兄の声。
口調は変わらないけど、
なんとなく
優しさを感じた。
〝しょうがないヤツだな、実織は〟
そう言われている気がした。



