ーーが、 突然、 視界に紅いものが横切り、 ガッ、キュィーーィッ オレは寸での所でバイクを傾け、 なんとかかわした。 「ーッぶねぇ」 冷たい汗とともに 安堵と ちょっとした怒りが混ざった声がもれる。 オレは、 文句の一つでも言ってやろうと、 路地裏から現れた紅い正体を睨むと、 ゾッとした。