「夕綺さん!夕綺さんっ、しっかりして…しっかりしてよー!」


両手で抑えても、
どんどん傷口から溢れる、夕綺さんの血。

「…なに…騒いで…っく、う………」

夕綺さんは苦しそうな息づかいの中で、
微かに笑った。


でも、


その声は震えていて

その体は震えていて



「夕綺さん、やだ、やだよ…」


その血で、

夕綺さんの白い肌も
私の桜色のドレスも


紅く
紅く

染まっていく。