ダイヤモンドの誘惑

・・・

一体これはなんなのか。

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私はしまっておいた鍵を手に取ると、

それを握りしめ、

蓮のマンションに向かっていた。

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タクシーが止まり、

下りたさきに、

男女が抱き合ってるのが見えた。

・・・

私は俯き加減で、

前に進む。

・・・

「蓮社長。

お願いだから、中に入れて?」

・・・

甘ったるい女の声。

・・・

今、

蓮社長って言った?

・・・

蓮って、城ノ内蓮?

・・・

俯いていた顔を上げた私は、

目を見開いた。