ダイヤモンドの誘惑

こんな男に声をかけられたら、

どんな女性もイチコロだと思う。

・・・

「…ダメ?」

私の顔を覗きこんだ男は、

少し笑った。

・・・

「あ・・・どうぞ」

私も我に返り、

やっとその言葉を発した。

・・・

「君、名前は?」

男に聞かれ・・・


「かすみ」

と、下の名前だけ答えた。

・・・

「花の名前だね。

綺麗な名前だ」


「フフ・・・

女の子を喜ばせるのが、好きなの?」

私は少し笑ってそう言った。

・・・

「そうだな。喜んでくれた方が、

いいじゃない?」

男も笑う。