ダイヤモンドの誘惑

・・・

店の明かりはもう、

落とされていた。

・・・

「・・帰ったのか」

そう呟いたオレは、

車に乗り込もうとした。

・・・

すると、

店の中から、

店長の上田に連れられた

かすみが姿を現した。

・・・

上田に変わった様子はないが、

かすみの顔は、

曇っている。

・・・

しかも、

かすみの手をしっかりと握った上田の手は、

見ていられなかった。

・・・

「・・・かすみ」

オレはかすみの名を呼んだ。