ダイヤモンドの誘惑

振り返ると、

「かすみは不器用だな」

そう言って笑う、

蓮の姿があった。

・・・

「いつの間に帰ってたの?」

「ついさっき・・・

仕事を早く切り上げてきた」

・・・

大事な仕事相手じゃなかったのかしら?

そう思い、

ちょっと不安げな顔をした私は、

「相手の方は、

早く切り上げて、怒らなかったの?」

そう尋ねた。

・・・

「大丈夫だよ。

やるべきことはしっかりやってきたから。

そんな事より、それ貸して?」

そう言って私の手からネックレスを取ると、

私の首に掛けてくれた。

・・・

「ありがとう・・・

素敵な物を、こんなにたくさん・・・

こんなに貰っていいのかしら?」