亮太くんはあたしたちの行動を見ながら、少し笑っていたけど、図書室前の階段から1階におりていってしまった。

本当に、ふざけないでほしい。

あたしは話すことないし、なんで真帆たちに話すことを強制されないといけないの。

おかげで、亮太くんの前で変なとこ見せちゃったじゃん。

あたしはそう文句を言おうとしたけど、やめた。

言ってもどうせ聞かないし。

言うだけ無駄。

あたしは自分自身にそう言い聞かせて、今にでも怒りそうな感情をおさえこんだ。

あたしたちのクラスは次の授業は音楽だから、一旦教室に戻って音楽の用意を持って、音楽室に向かう途中、

理科室のほうから亮太くんと葉月が並んで歩いていた。のを偶然見てしまった。

また、あってたんだ…。

あたしはそう思いながら、傷つくとわかっているのに亮太くんと葉月を見てしまって。

そして、亮太くんと目があって、

そのときは本当は1秒もなかったかもしれない。

だけど、あたしはずっと見ていたような、そんな気がした。