亮太くんもさっきのあたしと真帆のやり取りを見ていたのか、階段の前で止まってくれていた。

『あ、あの…』

がんばってしゃべろうとするけど、なかなか言葉が出てこない。

「あ、チョコうまかったよ」

『ほ、本当に?』

「あぁ」

『ありがと』

「じゃあな」

『あ、うん。ばいばい』

亮太くんは手をふって階段をあがっていってしまった。

あたしも少し手をふって、真帆たちのところに戻った。