先輩とあたし。


亮太くんと同い年になれたらどんなによかっただろう…。

そう何度も思った。

何度も何度も思ったけど、結局むなしくなるだけだった。

たった1つ年が違うだけで、行事も一緒に楽しめない。

亮太くんはなんでも先に経験して、あたしはその楽しかったことを聞くだけ。

亮太くんと一緒に見て、聞いて、楽しみたかったのに。

亮太くんがクラスではどんな人なのか知らない。

あたしはメールのなかの亮太くんと、たった少しだけ話した亮太くん。

それだけしか知らない。

たった1つ年が違うだけで、たった1年先に亮太くんが生まれただけで。

こんなにも悲しくなる。

あと1年、亮太くんが遅く生まれていたら、この時間、一瞬を一緒に過ごせたのに。

あと1年、あたしが先に生まれていたら、亮太くんと同じ学年で今よりもっと、もっと親しくなれたのに。