ぬくもりをもう一度

ただ、この何年もの間

クールを装っていた俺は、

素直に言葉を口にすることが

出来ずに飲み込んでしまった。


『俺もだよ』


その一言さえ言ってしまえば

いいはずのことなのに。


月日というのは、恐ろしい。


それに黙りこくってしまうのは、

……香澄に対して、

失礼だったのかもしれない。