差し出した小さな紙袋を、

香澄はふわりと柔らかく手にする。


「開けても、いいの?」


少し上目遣いに訊く香澄の仕草に、

鼓動が否応なく高鳴る。


きっと今の俺は、

顔が赤いに違いない。


動揺を隠すように

深くコクっと1回頷くと、

香澄もまた小さく頷いてから

紙袋を開く。


紙袋の中から出て来たのは、

小さな小さな箱。


何の飾り気のない、

シンプルな白の箱だ。


その箱と俺とを交互に見ながら、

香澄がゆっくりと箱を開いた。


「これって……」


目を真ん丸くさせて、

香澄が俺をじっと見つめる。


中に入っているもの。