ぬくもりをもう一度

野々原のバッグから出て来たもの。


それは、今まで何度か

やり取りしていた大量のポストイット、

そして、俺が休憩中などに飲んでいた

コーヒーの紙コップだった。


ポストイットは1枚1枚

ラミネートパックされているし、

紙コップはジップロックのようなものに

入れられている。


捨てているとばかり思っていた

俺にとって、

野々原の行動全てが恐ろしく、

そして気持ち悪くさえ感じていた。


これではもはや、

ストーカーとしか思えない。


机の上にばらまかれたポストイットを

愛しそうに一つ手に取ると、

野々原が頬を赤らめながら話し始める。