ぬくもりをもう一度

あれから、社内はいつもと

全く変わらない時が過ぎていた。


隣の席にいる野々原も、

朝の会話がまるでなかったかのように

普段通り勤務していた。


ただ、それまでしつこいほど

回ってきたポストイットが、

1枚も回ってこなかったのが

俺にとってはありがたかった。


きっと野々原は、

ちゃんと分かってくれたのだろう。


そう感じ、それまで不安に思っていた心が

すうっと穏やかになった。


そして、今に至る。


もう一度、携帯電話に目をやると

6時を数分回っていた。


そろそろ郁哉が来る頃だろうか。