ぬくもりをもう一度

“俺に再会して、

 香澄の気持ちが動き始めた”


今、確かに香澄はそう言った。


いつもは冷静な俺でも、

この言葉を受けてしまったら

押さえていた感情がふつふつと大きくなる。


「じゃあ……、結婚やめる?」


「え……」


潤んだ瞳を向けて、

香澄がじっと俺を見つめてくる。


ずっとせき止めていた香澄への気持ちが、

とうとう俺の中からあふれ出した。