ぬくもりをもう一度

「!」


香澄の言葉に、

思わず目を見開いてしまう。


幸せの絶頂にいるであろう香澄から、

そんなためらいの台詞が

出てくるなんて思ってもいなかった。


それも、気持ちが

揺れ動いている俺に向かって。


はっきり言って、拷問だ。


香澄は小さく笑うと、

ゆっくりと言葉を続ける。


「ごめんね、いきなりこんなこと言って。

 でもね……それが今の

 私の本当の気持ちなの。

 このまま結婚して、私、

 ちゃんと幸せになれるのかな……」