「うわぁ……。すごく素敵」


溜め息混じりに

香澄が歓喜の声を上げる。


その弾むような声に、

俺は心の中で雄たけびをあげる。


この店の写真をみた瞬間、

香澄の好きな雰囲気だろうと

直感的に感じた。


やっぱり俺の気持ちは、

すべて香澄へと傾いているんだ。


窓側の席へと案内され、

向かい合うように座る。


見渡す限りに広がる東京の夜景が、

まるで俺たちを

祝福してくれているように

キラキラと輝いている。


“宝石箱”


ありきたりだけれど、

その言葉がぴたりと当てはまる。