香澄に少しでも触れていたい。


その想いが俺の手を動かしていた。


嫌がられたら、ごめん、

と言って離せばいい。


そう思っていたけれど、

意外にも香澄の指は

俺の手を絡めとるようにさせてきた。


その動きのしなやかさに、

胸の奥がうずき始める。


もしかしたら―――、

香澄も俺と同じ気持ちで

いてくれているのだろうか。


そんな自惚れた気さえしてしまう

自分が恥ずかしい。