中に入ると、ハル君がソファに座っていた。

そしてもう一人……。


「何でアイツが……」

「海里君?」


ハル君の向かい側に座っていた海里君。

結婚式の時にはなかったけど、耳にはいくつかピアスがついていた。


「あ、大和さんに栞奈さん」

「二人揃って、どうした?」


海里君のことを聞きにハル君のところに来たのに、まさか本人がいるなんて……。


「あー……いや……ちょっと用があったんだけど……ハル兄に聞く必要はなくなったわ」


そう言いながら大和は海里君の方を見た。

大和の顔はなぜか楽しげだった。


「ちょうどよかったな、海里。
本人が来て」

「え、ちょっ……ハル兄ちゃん?」


ハル君は立ち上がると、ズボンのポケットにケータイとお財布と鍵を入れ始めた。