「………何であたしまで……」


試合会場からの帰り道。

あたしは大和に引っ張られてハル君の家に向かっていた。


「どうせ暇だろ」

「暇だけど……」


ゆっくり休みたかったのに……。

そんなあたしの気持ちを知ってか知らずか大和はどんどん歩いていく。


「ハル君、いるかな」

「いるんじゃね?
今日、休日だし」


そう言いながらハル君が住んでるマンション内へ。

何度か来たことあるマンション。

ついこの前も来たけど……。


浦山、と書かれた表札の部屋の前に立ってインターホンを押した。

すると、すぐにドアが開いて七海さんが顔を出した。


「あれ、大和君に栞奈ちゃん」

「こんにちは。
ハル兄います?」

「いるけど……。
ちょうどいい時に来たね、二人とも」


七海さんが笑顔でそう言った。


あたし達は意味が分からず、二人で顔を見合わせて首を傾げた。