……でも、なかなか良くならない。

このままだと確実に次の試合も外される……。


……大事な……最後のチャンスなのに……。


俺が出ないまま予選を終えることになるかもしれない……。


「……ただいま」


今日も結局何の進歩もないまま家に帰った。


「おかえり」


リビングに入ると、ハル兄が笑顔で俺を出迎えた。


「ハル兄……来てたのか」


カバンをソファの脇に置いて、ドカッとソファに座る。

……何かメッチャ疲れた。


「スランプらしいな」

「何でそれを………って、栞奈か」

「当たり。
この前家に来たんだよ。
まぁ……来たっていうより、俺が連れてったんだけど」


ハル兄はテーブルの上に置いてお茶を一口飲んだ。


「結構悩んでたぞ、栞奈」

「……え?」


俺は思わず顔を上げてハル兄の顔を見た。