「どうやってこの学校に入ってきたんだよ……」

「卒業生に制服を借りて、普通に堂々と入ってやったぞ!!
えっへん!」


威張ることじゃないだろ……。


「じゃあ、何であたしたちの名前知ってたの?」

「俺ほどの情報収集能力があれば容易いことさ!
そもそも俺はチワワちゃんみたいな子に出会うために侵入してるんだからね!」


コイツ……危ない。

本当に危ない。


「俺は今日侵入したこの学校でたまたまチワワちゃんを見かけてね!
一目惚れしたのさ!
ちょっと情報を集めれば、チワワちゃんはバスケ部のマネージャーで、部長の高瀬と付き合ってるって聞いてね!
これはもうバスケ部に入らなくてはと思ったわけだよ!!」


自分の学校じゃねぇのに……。

アホの極みだな。


「だからね、叔父さん!
俺をバスケ部に……」

「誰が入れるか!!
いいから、お前はとっとと校内から出なさい。
不法侵入だぞ、お前のしてることは」


そう言いながら佐山の襟元を掴みながらズルズルと出口の方へ引きずっていく監督。


「ちょっと待ってよ、叔父さん!
俺はまだチワワちゃんに言いたいことが……!!」

「どうせくだらないことだろうが。
ほら、早く出ていきなさいって!!」

「ちょっ……チワワちゃん!?
チワワちゃーんっ!!」


……叫びながら体育館から引きずり出されたあの変人。


……本当に何だったんだ……アイツは。