目的の場所につき、俺は栞奈の腕を離した。

栞奈が不思議そうにキョロキョロと辺りを見回す。


「ここって……」

「ストバス」


いつも俺が自主練してた場所。

何回も来たことのあるストリートバスケ場。


「何で?
大和、ボール持ってないし……」

「ボール持ってくるの、俺じゃないから」

「え?」


俺達の姿に気づいた奴がこちらに近寄ってくる。

……バスケットボールを持って。


「アキ君……?」


栞奈が驚いたように暁弥を見る。


「遅かったな」

「栞奈を引っ張ってくるのに手間取って」

「え……何で!?」


栞奈が俺と暁弥を交互に見て、完全にパニくってる。