――インターハイが終わってから数日後。

夏休みも終わりに差し掛かった、真夏の暑い日中のことだった。


「ねぇ、大和。
どこ行くの?」

「いいから、ついて来いって」


俺は栞奈の腕を引っ張りながらある場所に向かっていた。


「あたし、勉強しなきゃマズイんだけど……」

「一日ぐらい大丈夫だ。
つーか、これから行くところは栞奈がいなきゃ意味ないし」

「どういうこと?」

「それは行ってからのお楽しみ」

「えぇー……」


俺は無理やり連れてきた栞奈を引っ張りながら空を見上げた。


……今日はいい青空だ。

快晴。


雲一つない……いい天気。