「今のところは高瀬も中山も互角か……」

「お互いに一歩も譲らないですね」


緊迫した試合。

……だけど、大和とアキ君の表情は楽しげだった。


「……もう一人いたか」

「え……監督?」


あたしが聞き返すと、監督は攻防戦を繰り返してる二人を見ながら口を開いた。


「あんなバスケ馬鹿……高瀬以外に滅多にいるもんじゃないと思ってたんだけどな。
……もう一人いた。
アイツと張れるぐらいの馬鹿が」

「それって……」


……アキ君のこと、だよね。

大和とアキ君……結構似た者同士だから。

でも……そんな二人があたしは大好き。


だから、二人には頑張ってほしい。


気の済むまで……楽しんできてほしい。