青桜とアズイチ、両校が並ぶ。
キャプテンの大和とアキ君。
二人が軽く視線を合わせ……試合が始まった。
「面白くなりそうだな」
「監督……呑気ですね」
「まぁな。
この試合は俺が口出しするものじゃないと思うからな」
「え……？」
あたしが思わず聞き返すと、監督はコートの方を見ながら小さく笑った。
「大事な試合なんだろ、高瀬にとって」
……監督って見てなさそうでよく見てるよね、選手のこと。
それでいてよく選手の気持ちが分かってて……やっぱり監督ってすごい。
「高瀬……楽しそうだな」
コートの中の大和はキラキラしていた。
……今までで一番楽しそうだった。
あたしの大好きな姿が……そこにあった。
