「何だよ」 「どうした?岬」 大和と蓮ちゃんが不思議そうな顔をしながらあたしの方を見た。 「ほら、花井君」 「え!?」 あたしは花井君を二人の前に押し出した。 「何? どうしたんだよ、翔太」 大和が花井君の方を見ると、花井君は戸惑いながらも一歩前に出た。 「えっと、その……」 花井君は大和と蓮ちゃんの方をじっと見た。 すると、堪えきれなくなったのか……花井君の目はじわじわと潤んできた。 「せん……ぱい……!」 花井君は大和と蓮ちゃんの間に飛び込み、二人の背中に両腕を回した。