「岬、知ってんだろ？
アイツが……大和が高校でバスケやめるって」
「……うん。知ってるよ。
ビックリしちゃった」
「俺もこの前大和から聞いたとき、すげぇ驚いた」
「せめて大学まではやると思ってたからね」
「俺も。
アイツ、バスケットボール触らないと生きていけないんじゃないかってぐらいのバスケ好きだもんな」
みんなが呆れる程のバスケ馬鹿。
それが大和。
「けど……大和にはバスケ以上に大切なものがあるんだろうな」
「え？」
蓮ちゃんはあたしの方を見て、笑顔を見せた。
「……俺さ、考えたんだよ。
大和にとっての原動力は何なのか」
「原動力……？」
「そ。
最初はバスケだと思ってたよ。
俺が今まで見たことのない程のバスケ馬鹿だったし。
バスケがないと生きていけなさそうだったし。
……でも、違った」
違う……？
蓮ちゃんはコートの方にいる大和とあたしを交互に見て、優しく笑った。
