とにかく攻める。 ここで引いたら、確実に潰される。 ボールをもらい、ゴールに向かって走る。 すると……海里がすぐに追いかけてくる。 足の速さでは敵わない。 ……けど。 いくら足が速くて、俺の前に回りこめたとしても…… ……やっぱり、俺が一番怖いディフェンスは谷先輩だ。 あの人を抜くことができた……今。 少し苦労したが、海里のディフェンスも抜けるようになった。 「くそ……っ!」 走り抜けた俺の後ろで海里の悔しそうな声が聞こえる。 ……俺はそのままシュートを決めた。